「あれなんだけど、大丈夫?」
サグダを少し細くしたような外見の農家の主のランジは農地を荒らしているクグワ虫を指差しながら不安そうな声で言った。
農地は街を支えている木の枝や蔓に沿って作られていて(ぶどう棚の様な構造)ランジ農家は一間(約1・8メートル)ほどの青い実をつけるハバンと呼ばれる植物を主に栽培している。
クグワ虫は天井から釣り下がるハバンの果実を大きな鎌で切り落とし落ちた実を頭についた小さな口でむしゃむしゃと食べていた。
「大丈夫だよ!な、相棒!」
リーサズは威勢よくそう言ってクロスの肩を叩いた。
「じゃあ、頼んだよ。私は集果場に行くから終わったらそこに連絡お願い。」
ランジはそういうと虫に乗って集荷場へ向かった。
クロスは背中に背負っている剣の柄に手をかけた。
「とりあえず僕が囮になるからその間に動きを止めてくれ。」
「まかせろ!」
クロスの声にリーサズはまた威勢よく答えた。
クロスは剣を手に虫に向かって勢いよく駆けていった。
「え!?もう行くの?」
リーサズはうろたえて声を上げたがクロスはそのまま突っ込んでいった。
ハバンをむさぼっていたクグワ虫は高速で近づいてくる住魔の存在に気づき身構えると鎌を大きく振りかぶりながらクロスめがけて突進した。
クロスは構わずクグワ虫に向かってさらに加速して駆けていく。
クグワ虫はクロスが鎌の届く距離に来るや否や目にもとまらぬ速度で鎌を振る。
クロスは頭が地面につくのではないかというくらい身を低くして鎌を交わすとクグワ虫の前足を剣で振り払う。
クグワ虫はその動きに反応し大きく後ろへ飛びのき剣をかわした。
クロスはすぐさまクグワ虫に向かって駆けだした。
「うおっ、俺もうかうかしてられないな!」
リーサズはそう言うと大急ぎで地面に術式を書き始めた。
術式を書きながらクロスをちらりと見るとクグワ虫はクロスに押されだいぶ後退している。
「よしできたぁ!」
リーサズは術式を書き終えると術式に手を置き呪文を唱えた。
「くらえ!玉砕大雷撃!」
呪文を唱え終えると術式から極太のイカヅチが産まれ次の瞬間にはクグワ虫の体の中・・・とクロスの体の中を電撃が駆け巡った。
「あ゙!」
リーサズは狼狽え声を上げたがクグワ虫もクロスも問題なく動き続けている。
どうやら効果が薄かったようだ。
クロスは大きく飛びずさりクグワ虫から距離を取るとリーサズの方を向いてドスのきいた声で叫んだ。
「動きを止めろぉぉ!!!」
「ご、ごめ~ん。」
リーサズはか細い声でそう答えると急いで別の術式を書き始めた。
クロスは全身に若干のしびれを感じていたが再びクグワ虫に向かって突進した。
クグワ虫は雷撃の効果があったのか若干動きにキレがなくなっているがそれでも迷わずクロスに突進していく。
何度かクロスが鎌をかわしているとクグワ虫の足元の木から蔓が伸び足に絡み始め動きが鈍った。
クロスはその隙を逃さず剣を振り上げながら飛び上がり空を蹴るとクグワ虫の頭めがけて突進する。
蔓を外そうと足をじたばたさせていたクグワ虫は反射的に鎌を振ろうとしたが蔓に足を引かれ体勢を崩し鎌は空を切る。
クロスは隙だらけになったクグワ虫の頭に剣を打ち下ろした。
ガォォォォン!という轟音が鳴り響くとクグワ虫の止まる。
クロスはそのままクグワ虫の背に乗ると頭めがけ繰り返し剣を打ち下ろした。
ガォォォォン!ガォォォォン!
三回目の剣撃を受けた直後クグワ虫の全身から急に力が抜けズシリという音を立てて腹ばいになった。
クロスはしばらく動かなくなったクグワ虫の頭に何度も剣を打ち下ろしていたが突然動きを止めリーサズの方を向いて叫んだ。
「殺す気かぁぁぁ!!」
「ご、ごめ~~ん。」
リーサズはか細い声で謝った。
サグダを少し細くしたような外見の農家の主のランジは農地を荒らしているクグワ虫を指差しながら不安そうな声で言った。
農地は街を支えている木の枝や蔓に沿って作られていて(ぶどう棚の様な構造)ランジ農家は一間(約1・8メートル)ほどの青い実をつけるハバンと呼ばれる植物を主に栽培している。
クグワ虫は天井から釣り下がるハバンの果実を大きな鎌で切り落とし落ちた実を頭についた小さな口でむしゃむしゃと食べていた。
「大丈夫だよ!な、相棒!」
リーサズは威勢よくそう言ってクロスの肩を叩いた。
「じゃあ、頼んだよ。私は集果場に行くから終わったらそこに連絡お願い。」
ランジはそういうと虫に乗って集荷場へ向かった。
クロスは背中に背負っている剣の柄に手をかけた。
「とりあえず僕が囮になるからその間に動きを止めてくれ。」
「まかせろ!」
クロスの声にリーサズはまた威勢よく答えた。
クロスは剣を手に虫に向かって勢いよく駆けていった。
「え!?もう行くの?」
リーサズはうろたえて声を上げたがクロスはそのまま突っ込んでいった。
ハバンをむさぼっていたクグワ虫は高速で近づいてくる住魔の存在に気づき身構えると鎌を大きく振りかぶりながらクロスめがけて突進した。
クロスは構わずクグワ虫に向かってさらに加速して駆けていく。
クグワ虫はクロスが鎌の届く距離に来るや否や目にもとまらぬ速度で鎌を振る。
クロスは頭が地面につくのではないかというくらい身を低くして鎌を交わすとクグワ虫の前足を剣で振り払う。
クグワ虫はその動きに反応し大きく後ろへ飛びのき剣をかわした。
クロスはすぐさまクグワ虫に向かって駆けだした。
「うおっ、俺もうかうかしてられないな!」
リーサズはそう言うと大急ぎで地面に術式を書き始めた。
術式を書きながらクロスをちらりと見るとクグワ虫はクロスに押されだいぶ後退している。
「よしできたぁ!」
リーサズは術式を書き終えると術式に手を置き呪文を唱えた。
「くらえ!玉砕大雷撃!」
呪文を唱え終えると術式から極太のイカヅチが産まれ次の瞬間にはクグワ虫の体の中・・・とクロスの体の中を電撃が駆け巡った。
「あ゙!」
リーサズは狼狽え声を上げたがクグワ虫もクロスも問題なく動き続けている。
どうやら効果が薄かったようだ。
クロスは大きく飛びずさりクグワ虫から距離を取るとリーサズの方を向いてドスのきいた声で叫んだ。
「動きを止めろぉぉ!!!」
「ご、ごめ~ん。」
リーサズはか細い声でそう答えると急いで別の術式を書き始めた。
クロスは全身に若干のしびれを感じていたが再びクグワ虫に向かって突進した。
クグワ虫は雷撃の効果があったのか若干動きにキレがなくなっているがそれでも迷わずクロスに突進していく。
何度かクロスが鎌をかわしているとクグワ虫の足元の木から蔓が伸び足に絡み始め動きが鈍った。
クロスはその隙を逃さず剣を振り上げながら飛び上がり空を蹴るとクグワ虫の頭めがけて突進する。
蔓を外そうと足をじたばたさせていたクグワ虫は反射的に鎌を振ろうとしたが蔓に足を引かれ体勢を崩し鎌は空を切る。
クロスは隙だらけになったクグワ虫の頭に剣を打ち下ろした。
ガォォォォン!という轟音が鳴り響くとクグワ虫の止まる。
クロスはそのままクグワ虫の背に乗ると頭めがけ繰り返し剣を打ち下ろした。
ガォォォォン!ガォォォォン!
三回目の剣撃を受けた直後クグワ虫の全身から急に力が抜けズシリという音を立てて腹ばいになった。
クロスはしばらく動かなくなったクグワ虫の頭に何度も剣を打ち下ろしていたが突然動きを止めリーサズの方を向いて叫んだ。
「殺す気かぁぁぁ!!」
「ご、ごめ~~ん。」
リーサズはか細い声で謝った。
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