昔々そのまた昔、鳥たちと魚たちは一つの大きな大きな島で一緒に仲良く暮らしていました。

鳥たちは普段島の上半分の光の当たる陸地に家を作りそこに住んでいました。
　魚たちは普段島の下半分にある海に浸かった洞窟の中に家を作りそこに住んでいました。
　鳥と魚は本当に仲が良く魚が食べ物をあまり採れなかったとき鳥は自分たちの食べ物を分け、鳥が食べ物をあまり採れなかったときは魚が鳥に食べ物を分けていました。
　そんな仲のいい姿を見ていた火の神様は鳥と魚の暮らしがもっと良くなるように火と雷を与えました。
　火と雷を手に入れたことで鳥と魚の暮らしはよりよくなり食べ物に困ることもなくなってきました。
　そんなある日、魚たちの中に火と雷を独り占めにしようというものが出てきました。
　その者たちは鳥たちをだまして呼び出し鳥たちを苦手な洞窟に閉じ込めてしまいました。
　鳥を閉じ込めた魚は火と雷の力を思うがままに使いました。
　しかし魚たちの行いは火の神様の怒りに触れ、火の神様は魚たちを島の上半分の陸地に閉じ込めると島を割り、上半分と下半分に分けてしまいました。
　そして魚が二度と鳥にひどいことができないように島の上半分を空の雲の上に浮かべ下半分を海の底に沈めました。
　さらに火の神様は魚が海を泳げないよう海に激しい渦巻きを起こしました。
　こうして鳥は海の底の島の下で穏やかに暮らし、魚は空の上の光の中で暮らすことになり、魚と鳥は永遠に分かたれました。