協会支部の外に出ると商店が開き始めていて、街中に張り巡らされている蔓でできた通路を様々な虫が歩いていた。森林地帯の街だけあっていろいろなことに虫を利用している。
男は一度背伸びをしてクロスのほうへ向き直りしゃべりはじめた。
「依頼の時間までまだ結構あるな・・・っていうか大事なこと忘れてた!俺の名前はリーサズ。旅の魔法使いみたいなもんだ。お前は?」
クロスは口元を少し笑わせながら答えた。
「僕はクロス。・・剣士・・かな。」
補足:この世界では出身や族や旅の目的などを語ったり聞いたりすると角が立つことが多いので自己紹介は必要最低限の情報しか言わないことが多い。
リーサズはクロスの返事を聞くと両手を頭の上で組んでニコニコしながら言った。
「よろしくなクロス!」
「ああ、よろしく。」
クロスは嬉しさ半分不安半分という顔で答えた。
虫のうごめくギチギチガチガチという音が辺り一帯に響いている。音の中心には巨大なサの古木がありその古木のうろ周辺には膨大な数の虫がいる。そこから十里ほど離れたところから樹族と真魔の間のような外見をした女性が目を凝らしてその虫たちの様子を観察していた。
「ほとんどクグワ虫。・・・最近害獣被害が多いのはこれが理由ね。」
隣にいた獣族の女性が鼻をクンクンさせながら言った。
「これ以上近づくと親虫に感知されそうね。・・ネン、わかる限りで巣の規模を量るから周辺の音拾ってくれる?」
そう言われるとネンと呼ばれた女性は術式を書き始め
「ちょっと遠いから雑音もいっぱい拾うよ。最初耳ふさいでたほうがいいかも。」
そう言って術を発動させると虫の巣周辺の音が増幅されて聞こえてくる。
獣族の女性は音が聞こえてくると顔をしかめた。
「ほんとに雑音だらけね。」
獣族の女性は耳をピクピクさせしばらく音を聞いていたが突然耳をふさぎ
「もうわかった!止めて!」
と言いネンはすぐさま術を切った。
「無理しちゃだめよアンニ。」
アンニと呼ばれた女性は頭を左右に思い切り振った。
「ああ気持ち悪い!私、虫のうごめく音ってホントに嫌なのよね!」
それを聞いてネンも大きくうなずきながら
「分かる!私もクグワの装甲が擦れる音ホント嫌!町長も私の眼がちょっといいからって偵察任務になんて回し・・・、じゃなくて巣の規模はどんな感じ?」
アンニは急に真面目な顔になって答えた。
「あの古木の中はもう全部虫の巣になってる。雑音がひどくてよく分からなかったけど親虫が二匹はいたかな。あと・・・・・。」
急に言葉が止まったのでネンは不思議そうな顔で聞いた。
「あと何かあったの?」
アンニは少し首をかしげながら
「古木の下に古木の三分の一くらいの容積の空洞があったんだけど、この辺にそんな大きな穴を掘る虫いたかなって・・。」
と答えた。
「確かに。」
そう言ってネンも首をかしげた。
「・・・まあここで考えたって仕方ないか。」
アンニがそういうとネンも
「そうだね、とりあえず町長に報告しよう。」
そう言って二徒はその場を後にした。
男は一度背伸びをしてクロスのほうへ向き直りしゃべりはじめた。
「依頼の時間までまだ結構あるな・・・っていうか大事なこと忘れてた!俺の名前はリーサズ。旅の魔法使いみたいなもんだ。お前は?」
クロスは口元を少し笑わせながら答えた。
「僕はクロス。・・剣士・・かな。」
補足:この世界では出身や族や旅の目的などを語ったり聞いたりすると角が立つことが多いので自己紹介は必要最低限の情報しか言わないことが多い。
リーサズはクロスの返事を聞くと両手を頭の上で組んでニコニコしながら言った。
「よろしくなクロス!」
「ああ、よろしく。」
クロスは嬉しさ半分不安半分という顔で答えた。
虫のうごめくギチギチガチガチという音が辺り一帯に響いている。音の中心には巨大なサの古木がありその古木のうろ周辺には膨大な数の虫がいる。そこから十里ほど離れたところから樹族と真魔の間のような外見をした女性が目を凝らしてその虫たちの様子を観察していた。
「ほとんどクグワ虫。・・・最近害獣被害が多いのはこれが理由ね。」
隣にいた獣族の女性が鼻をクンクンさせながら言った。
「これ以上近づくと親虫に感知されそうね。・・ネン、わかる限りで巣の規模を量るから周辺の音拾ってくれる?」
そう言われるとネンと呼ばれた女性は術式を書き始め
「ちょっと遠いから雑音もいっぱい拾うよ。最初耳ふさいでたほうがいいかも。」
そう言って術を発動させると虫の巣周辺の音が増幅されて聞こえてくる。
獣族の女性は音が聞こえてくると顔をしかめた。
「ほんとに雑音だらけね。」
獣族の女性は耳をピクピクさせしばらく音を聞いていたが突然耳をふさぎ
「もうわかった!止めて!」
と言いネンはすぐさま術を切った。
「無理しちゃだめよアンニ。」
アンニと呼ばれた女性は頭を左右に思い切り振った。
「ああ気持ち悪い!私、虫のうごめく音ってホントに嫌なのよね!」
それを聞いてネンも大きくうなずきながら
「分かる!私もクグワの装甲が擦れる音ホント嫌!町長も私の眼がちょっといいからって偵察任務になんて回し・・・、じゃなくて巣の規模はどんな感じ?」
アンニは急に真面目な顔になって答えた。
「あの古木の中はもう全部虫の巣になってる。雑音がひどくてよく分からなかったけど親虫が二匹はいたかな。あと・・・・・。」
急に言葉が止まったのでネンは不思議そうな顔で聞いた。
「あと何かあったの?」
アンニは少し首をかしげながら
「古木の下に古木の三分の一くらいの容積の空洞があったんだけど、この辺にそんな大きな穴を掘る虫いたかなって・・。」
と答えた。
「確かに。」
そう言ってネンも首をかしげた。
「・・・まあここで考えたって仕方ないか。」
アンニがそういうとネンも
「そうだね、とりあえず町長に報告しよう。」
そう言って二徒はその場を後にした。
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