ロード・ラ・賀海岸の遥か南には近づいたものを二度とは返さないといわれる「魔海」と呼ばれる海域があった。
「魔海」は魔物の巣窟であるという説や、財宝が眠るという説、海流が複雑で戻ってこれなくなるという説、楽園があるという説、別の世界につながっているという説、など様々な噂や言い伝えがあったが確認したものはいない。
一攫千金を夢見るもの。楽園を求めるもの。冒険者。世を捨てたもの。数多のもの達が「魔海」を目指しそして消えていった。
現在からおよそ1500年ほど前、稲狩王国国王”イーレス・草加・クロード”が王国軍に「魔海」の調査を命じ、当時としては最高の航海能力を誇る軍艦海神と軍艦数隻を「魔海」へと向かわせた。
約二週間後ロード・ラ・賀海岸に船の残骸のようなものと一人の瀕死の男が漂着しているのを地元の漁師が発見する。
漁師が男に駆け寄ると瀕死の男は懐から半透明の石のようなものを取り出し漁師に渡し
「魔の・・・巣窟・・・・・・・」
と呟き息絶えた。
息絶えた男の名前は”アーネット・弥彦・ホード”。
軍艦海神の乗組員だった。
その後弥彦が漁師に渡した石を王国の学者たちが調べると全くの未知の物質であることが分かり、いかなる方法でも傷をつけることさえできなかった。
王はその石を弥彦石と名づけ厳重に保管し、そして「魔海」への一切の進入を禁じた。
そこからおよそ1300年後。
歴史館に保存されていた弥彦石に興味を持った十束重工が弥彦石の分析をはじめその中に様々な記録が保存されていることを発見する。
十束重工は保存されていた情報を解析し実験を繰り返しついに図形の組み合わせで小さな炎を大きな炎に変化させることに成功した。
この図形の組み合わせは後に術式と呼ばれるようになる。
十束重工は弥彦石の情報を共有しあらゆる機関がこぞって弥彦石の研究を行い次々に新しい技術が生み出されていった。
後にこれが魔法革命と呼ばれるようになる。
魔法は既存の機械に組み合わせることで使用し機能を補助、強化する目的で使われるのが主だった。
魔法革命からおよそ50年後。
弥彦石に保存されている情報では魔法は魔法単体で使用されており何もないところから火を出したりという事が可能であるはずであったが成功したものはいなかった。
より多くの情報を欲した各国の要人たちは弥彦石が発見されたとされる「魔海」の調査を旧稲狩王国、現円輪国に要求するも危険であるため円輪国はこれを拒否。
この返答を魔法の独占ととらえた一部の国は円輪国に宣戦布告。
魔法大戦の始まりである。
魔法大戦には様々な思惑が絡み争いは激化し広がり、最終的には魔法で強化された破壊兵器の乱用により大災害を引き起こし地上を荒廃させた。
これは後に灰の時代と呼ばれる飢えと争いが蔓延する50年を生み出す。
主人公は灰の時代から100年後を生きる群島国家海定に名前を変えた円輪国にあるカダリング魔法学園に通う青年。
物語は「魔海」から謎の生物があふれ出してくるところから始まる。
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